文系出身がおくる物理せいかつ

中学の時に数学や理科が嫌いになり、高校大学と文系に進んだが、大学の時にあることがきっかけで物理に目覚めたとある文系の日記です。興味ある分野は物理のほか、数学、言語、景観工学、観光学、鉄道あたりですのでこの辺りが主なトピックスになりそうですな。

沖縄に住んだ感想

私は沖縄に住んだことがあるだが、内地の人間にとってはそこそこ珍しいんじゃなかろうかと思うので、今回はそれぞれの違いとか受けたカルチャーショックとかについて綴ってみようと思う。

 

 

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▲沖縄の海岸

沖縄初上陸

 

色々あって沖縄に住むことになった。それまで沖縄には行ったことがなく、知っていることは県庁所在地が那覇であること、ちんすこう、エイサー、琉球大学首里城。こんなもん。

 

新しい生活に期待と不安を抱きながら飛行機に乗っていた。もうすぐ着陸するというので窓の外を見ると小さな島が浮かんでいた。

 

「あぁ、沖縄にはこういう小さな美しい島々がたくさんあるんだろうな。」

 

そう思っていたら、飛行機はぐんぐん高度を下げていく。

 

「えっ、ちょっとまって、そんなはずは…だって、反対側の海見えちゃってるよ…」

 

そうだ。これから俺が住むのは沖縄本島だ。こんな小さな島なはずはない。

 

ほどなくして、私を乗せた飛行機はその小さな島に降りた。

 

「えええええええええええええええええ!!!!沖縄ってこんなにちっせぇのかよおおおおおおおおおお!!!」

 

これが沖縄で一発目のショッキングな出来事だった。

この先数年の間は沖縄に住むというのに、こんな今にも沈みそうな島で生きていけるんだろうかと早速不安MAXである…。

 

一年目のホームシック

 

沖縄は思ったよりも内地と違うことが多い。

 

まず気になったのは植生。なんかこう、ジャングルみたいにわしゃわしゃしている。

 

お店も違う。スーパーとかホームセンターは沖縄に限った話じゃないけどご当地のやつがあって、ショッピングセンターといえば「サンエー」、スーパーと言えば「かねひで」「ユニオン」、ホムセンと言えば「メイクマン」である。そして、看板は台風対策のため最小限にしてあり、直接建物にペイントしてあるのが主流。買い物をした際、普通は袋詰めは自分でするが、沖縄では店員さんがやってくれる。そういえば、現在ではあるらしいが当時はセブンイレブンが無く、ローソンかファミマしかなかった。

 

道路も違う。道幅が広い。日本の市街地というのは大抵道幅キツキツなのだが、沖縄は広い。歩道には点字ブロックがあるのだが、黄色い点字ブロックはない。景観の問題からなのかよくわからんが、とにかくない。

 

家も違う。三角屋根がない。沖縄と言えば赤い瓦を漆喰で固めたようなやつを想像していたが、そのような家はほぼ無い。コンクリート造りの四角い形をした家が多い。

 

一年目の自分にはこの辺りの違いがストレスだった。沖縄を去る頃には当然慣れたのだが、当時は見慣れた内地の風景というのが恋しくて仕方なかった。たまに内地に帰ったら真っ先にセブンに入って食べたくもないおにぎりを買ったものだ…。

 

社会的な違い

 

沖縄で仕事してて困ったのは、相手の名前がよくわからんということだ。「阿波根」「渡慶次」「勢理客」…。読めねぇよ!(笑)

ある程度名前のパターンが決まっているので、慣れればなんのことはないのだが…。逆に自分の名前だけで沖縄の人間ではないとバレてしまうのも若干面倒である。

 

飲み会が永遠に終わらないのも悩みのタネの一つであった。沖縄は公共交通が貧弱なので、基本的に皆マイカーで移動する。飲み会でも代行を頼むのが普通なので終電という概念がない。一度始まると夜が明けるまで付き合わなければならない。適当な理由で抜け出したことは数知れず…。

 

海では泳がないというのも意外であった。観光客は水着でビーチに繰り出してバシャバシャやっているのだが、沖縄県民はあまりそういうことはしない。海に行くと言えばビーチパーティなるBBQが催されることが多く、基本的には浜辺で遊ぶ。流れで海に入ることもあるが着衣のまま適当に遊んで終わりである。

 

また、県民は思ったほど普天間辺野古の事を気にしていないっぽい。勿論、地元の人はとっとと普天間は片づけてほしいと思っているのであろうけれども…。時々一般向けに米軍基地が解放されてイベントが行われることがあり、普天間に入ったことがあるが、結構普通に人集まってたし普通に楽しんだし…。

ただ、反米軍感情が無くはないんだろうとも思うことも。沖縄には他の都道府県のように県警があるが、他に米軍警察もいる。米軍関係者が事件や事故を起こすと軍警察が絡んできて身柄が米側に行っちゃって日本の法で裁けないことがあったりなかったりするらしく、その辺は結構みんな気にしてるみたい。

 

言葉について。沖縄には琉球方言(うちなーぐち)が存在し、これは普通の日本人が聞いても全く理解不能なのであるが、日常的に使用する人はいなくて、高齢者が話そうと思えば話せるレベルのもののようだ。日常会話では他の都道府県と同じレベルでイントネーションや単語レベルの差異にとどまっているので支障はない。ただ、若い人と中高年以上の間や本島内でも南部と北部の間で微妙に言い回しが違ったりしているようだ。個人的には非常に興味深い。

 

沖縄時間についても触れておく。沖縄では基本的に集合時間通りにメンバーが集合することはない。寧ろ集合時間に家を出るというのはザラである。勿論そのことによって咎められることはないし、怒ろうものなら「それを見越して集合時間を早めに設定しない方が悪い」となる。1時間遅れは許容範囲である。普段から5分前行動を心掛けている諸兄姉は注意しなければならない。慣れるまではフラストレーションが溜まるが、慣れてしまうとこれが非常に心地よいのである。沖縄を去った後もしばらくこのクセが抜けず、多方面に迷惑をかけたような気がする。

 

だいたい言いたいことは言えてスッキリした。

最後に、今回は沖縄に移住して感じたショックに焦点を当てて書いているのでちょっとトゲトゲしかったかもしれない。しかし、全体的に振り返ると沖縄での生活は非常に充実したものであったし、なんならもう一度住みたいくらいである。もし、この先皆さんが沖縄に住むことになったら、その際は是非沖縄生活を満喫していただきたい。

 

 

 

今週のお題「激レア体験」