文系出身がおくる物理せいかつ

中学の時に数学や理科が嫌いになり、高校大学と文系に進んだが、大学の時にあることがきっかけで物理に目覚めたとある文系の日記です。興味ある分野は物理のほか、数学、言語、景観工学、観光学、鉄道あたりですのでこの辺りが主なトピックスになりそうですな。

英語が読めるのに話せない日本人の不思議

以前南アフリカ共和国に行ったときの話をしようと思う。

アフリカになじみのない方も多いと思うので少し説明しておく。

 

最近経済発展が著しい国々の頭文字を取ったBRICsって社会科で習ったことがあるだろう。このsがSouth Africaだ。日本人にとってアフリカってマサイ族的なイメージがありそうだが、南アフリカは先進国とは言わないまでもそこそこインフラが整っている。イギリスの植民地であったこともあり、英語が普通に話されている。

 

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▲アフリカのイメージ図

色々あってそんな南アフリカに一人旅に行くことにした。ちなみに私の英語力は英検3級のヘッポコ丸である。

ある日、長距離列車で移動する機会があった。南アフリカの長距離列車は4人用コンパートメント(個室)になっていて、見ず知らずの他人同士で24時間以上部屋を共有する。当然会話が発生するのだが、私はヘッポコ丸なので自己紹介を終えた後は他の3人の会話に入っていけず、窓の外を眺めていた。

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▲窓の外はこんな感じ

これでも一応小学生の時はN●VAで駅前留学していたし、中高は学校で英語教育を受けて大学受験も突破した。

 

だけど、英語喋れないし彼らが何言ってるか聞き取れないの。

 

一応ね、彼らが言ってることを脳内で書き起こしてさ、「主語がHeで~動詞はソレで~目的語はよく聞こえなかったけど文脈的にアレで~っていうことはHeはアレをソレしたのか~」とか考えたけども、そうこうしているうちに彼らは既に次の話題どころか次の次の話題に行っている。

 

そんな私を見かねた一人が、「なんでキミは喋らないんだい?」と聞いてきた。

多くの日本人が答えるように私も「いやぁ、英語は苦手でですねぇ…」と言った。

そしたらプラクティスしろと言ってみんな話し相手になってくれた。

私が躓いた語はgoogle翻訳を使って日本語で提示してくれた。アフリカ人優しすぎ…。

しばらくやり取りするうちに、彼らのうちの一人がiphoneの画面を見ながら止まった。

電波弱いのかな?画面には"social identity"と打ってあった。

とりあえずそのまんま「そーしゃるあいでんてぃてぃー?」

って呟いたら、「うぇっ!?お前英語読めるの!???」とめちゃくちゃビックリされた。こっちからしたらそりゃそうだろと思うんだけど、一般的には会話よりも読み書きの方が難しいのだろう…。とりあえず彼には、多くの日本人は喋るのは下手クソだけど読み書きは大体できるよと言っておいた。

まぁ確かに幼稚園児みたいな喋り方してる奴が突然「社会的アイデンティティ(キリッ」とか言い出したらビックリはするかもしれない。

 

その後、私が持ち合わせていた日本語の本を見せてあげた。

日本語は全然わかんないね~~と言いながらも、文中に"CERN"という文字を見つけて

CERNってあのCERNかい?」(CERNというのは欧州にある物理実験施設)

とかいう話になり、そこら辺からちょっと私をオトナ扱いしてくれるようになった気がする。

 

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▲旅は続く

暇なので列車内をウロウロしていたら隣の部屋のお姉様に話しかけられた。相変わらずタジタジと幼稚園児並みの英語を喋っていると、

「アンタ、英語喋れないのにどうやってここまで来たのヨ?」

となかなかド直球に聞かれた。

「いや、私は英語は喋れないけど読むことはできて、ウェブで予約とかすれば航空券も列車のチケットも取れるんだよ」

的なことを言ったら

「Oh~~!! You're clever boy♪」

と言われました。照れちゃった。

やっぱり喋れないくせに読めるのは結構不思議な感覚なのだろうか…?

 

あ、思い出しついでにもう一例。

こちらは英語じゃなくて中国語なのだが、中国のとある小さな町でホテルに泊まろうとしたときの話。フロントのおねーちゃんは私に何かを訴えかけているが、彼女は英語は話せず私も中国語を話せない。仕方ないのでペンとメモ帳を差し出して、「書いて」とジェスチャーした。

彼女はメチャメチャ怪訝そうにしながら「你会看中文吗(アンタ中国語読めるの?)」と書いてきた。日本人からしたら同じ漢字文化圏なのだから字を見た方が分かりやすいじゃないかと思うかもしれないが、やはり世界的には喋れない奴が字を読めるのは奇妙なことなのかもしれない…。

 

そろそろまとめる。

日本では英会話>学校英語みたいな風潮があるような気がしてならない。もちろん英会話ができるに越したことはないが、上記のような経験を通して日本の公教育における英語教育というのは割としっかりしていて、それをきちんとやっておくと意外と世界で通用するんだという考えを持つようになった。中高生の当時は、ネイティブは文法なんて考えながら話してないだろ!とか割と英文法の教育には反発的だったが、自分が誰かに教える立場になったら学校でやってることをキチンとやれというスタンスに変わってきた。

最近私は仕事柄英語の文章を読むことがあるのだが、相変わらずヘッポコ丸なので高校時代の参考書を傍に置いている。読んでて躓いたときにペラっと参考書をめくるとちゃんと関連する文法事項はそれの中で説明してある。高校英語ていうのは割と必要なことは網羅しているんだなぁと日々感心している。英語に不安のある皆さんも、まずは中高の英語を復習してみてはいかが?

 

ってところでいいですかね(笑)

説教臭いですがこれで終わります!じゃね!

 

 

 

 

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