文系出身がおくる物理せいかつ

中学の時に数学や理科が嫌いになり、高校大学と文系に進んだが、大学の時にあることがきっかけで物理に目覚めたとある文系の日記です。興味ある分野は物理のほか、数学、言語、景観工学、観光学、鉄道あたりですのでこの辺りが主なトピックスになりそうですな。

【放送大学講義レビュー】量子と統計の物理('15)

 

みなさんこんにちは。今回は放送大学物理学科目3本柱のうちの一つである、専門科目「量子と統計の物理(‘15)」のレビューです。

 

放送大学には物理3本柱があり、「力と運動の物理」「場と時間空間の物理」「量子と統計の物理」で通常学部で習う「古典力学」「解析力学」「電磁気学」「相対性理論」「量子力学」「統計力学」をカバーしています。その辺の大学生が3年かけてやる内容が3科目に凝縮されているので、相当内容が濃いということは想像に難くないでしょう。しかもこの科目は過去問の解答が公表されていません。

 この敷居の高さから、受講に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。しかし、やりようによっては単位修得は不可能ではありません。是非皆さんも、ミクロの世界の門を叩いてみてください。ちなみに私の成績はAでした。

 なお、2019年からは「力と運動の物理」が改訂され、米谷先生は降板、後任は松井先生になりました。松井先生の講義は受けたことがないので、どのような感じかはわかりませんが、おそらく残りの2科目も来年、再来年と更新されると思われますので米谷先生の講義で単位を取りたい方は早めに受講する事をお勧めします。

 

内容は量子力学統計力学ですね。米谷先生と岸根先生が担当しています。米谷先生は超弦理論方面の方なので議論が抽象的になりがちで、初学者にとっては苦しいかもしれません。しかしいつの日か、「あの時やったのはそーいう事だったのか」と思う日が来ますので、とりあえず耐えてください…。岸根先生は物性の先生で、直感的な理解を助けてくれて、初学者がわかったような気になる授業をしてくれます。

 

テキストは私にとって行間が広すぎたため、全然式を追うことはできませんでしたが、マセマシリーズを読むことでなんとなくこの科目がやってることがわかったかなという感じです。マセマシリーズは、計算の過程を省略せず丁寧に書いてあるので大学生の間では重宝されています。基礎的な物理や物理数学はカバーされていますので、行間を読むのが苦手な方にはオススメです。

 

気になる期末試験ですが、米谷先生の方針で過去問の解答が公表されていません。講義で扱ってる内容なんだから解答なんか無くても解けるでしょという事なのでしょう…。幸いにも過去問自体は公表されています。しかも過去問は毎回同じような問題が繰り返し出題される傾向があります。出題のしかたも、「選択肢のうち正しいもの(又は誤っているもの)を一つ選べ」形式です。なのでなんとかテキスト中から答えらしきものを探したり、学期によって選択肢の正誤が変わったりしてるのでそれを見比べたりすることで解答を自分で作りました。それを覚えていけばある程度の点数は取ることができます。

 

「これでは本当に理解したことにはならない」という方もいらっしゃるでしょうが、どこかで見切らないといつまでも先に進めませんので私はこれはこれでアリだろうと思っています。当然個々が納得できるまでやり込めばいいだけの話ですが…。

 いずれにしても、体系的にこの辺の話を雑学ではなく学問としてやってる番組は他に無いはずなので、得るものは多いと思います。皆さんも是非受けてみてください!でわでわ〜〜!